診療放射線技師による【心と体の透視室】

医療の中身ってわからないことだらけで、もし病気になっても医師任せという方がほとんどではありませんか?ここでは病気にならないためと、もしなってしまった場合においても、心と体をどのように保つか!?について皆さんにお役立てできる情報を発信して活きたいと思います。自身、約30年間【診療放射線技師】として勤務してきた医療現場での経験があるからこそ、お伝えできる真実を確認して頂ければと思います。

5大癌シリーズ…大腸がんはすべて治る!のにワースト2位ってどういうこと?

 

必ず治るのに命を落とす癌

この大腸がん…先天的な若年性で発症することも人によっては稀にあるが、そのほとんどが加齢(おじさん・おばさんと言われるような年)となってきた人に発生する。

食事の欧米化やストレスによるとも言われているが、これもまた前回書いた免疫力の低下し始める頃というのが、率直なところだろう。

 

kokokara-perspectiveroom.hatenablog.com

 食事やストレスについてはまた別に記載するとして、今回はこの大腸がんが何故に…

必ず治るのに命を落とす癌のワースト5に入っているか!?だ。

 

それはズバリ、

1.ほとんどの方が検査を受けず自分に限っては…と思っておられること

2.簡易な検査(便潜血)だけで、その陽性が見逃されていること

3.適正な期間にフォロー検査をしていないこと

この3つの条件がすべてと言っても過言ではない。

 

検査しない人こそが進行する大腸がん

それぞれについて説明致します。

 

1.ほとんどの方が検査を受けず自分に限っては…と思っておられること⇒皆さんも『身に覚えがあるのでは?』

…40代後半に差し掛かってきたにもかかわらず一度も検査を受けたことがない人

そりゃなりますよ!これだけ『大腸がん大腸がん』と言われている中、放ったらかしにして『自分に限っては』と今だに思い込んでいる人…

・ちょっと小太り(大太りも含む)体型

・肉食大好き♪野菜嫌いで運動も嫌い

・お酒(アルコール)大好きタバコも大好き

こんな方は特に要注意!それで検査もしないなんて無防備にも程がある!

検査は、まずは便潜血検査といわれる自分の便を2回採取し、病院へ出すだけ

⇒この簡単なことができない(しない)人が大勢居るので…

 

2.簡易な検査(便潜血)だけで、その陽性が見逃されていること⇒便潜血検査には落とし穴がある!

1.で記したように一番簡易で楽にできる検査だが、これには1)疑陽性と、2)すり抜け陰性があります。

1)疑陽性:大腸がんも増えているがそれと平行して、デスクワークの増えてきた日本人は【痔】の方も増えている。便潜血検査は採取した便の中に血が混じっているかどうか?を調べる検査なため、【痔】の方は大腸がんでないにしてもこの検査で陽性となります。

⇒それらの皆さんはイヤでも大腸内視鏡検査】を受けられることをお薦めします。

大腸内視鏡検査とは

お尻から小指の先程のカメラを挿入し、大腸の中を直接観察できる(今は電子内視鏡と言われる超高精細カメラ)のだが、何が辛い?と言うと…

前処置につきると思います。約1日半の絶食(消化の良い水溶性【お粥のような】の食事)と水をガンガンに摂取しなければなりません。これがしんどいため、嫌だと言う方も少なくないが、1年か2年に一度の【腸を綺麗にするダイエット】と思えば頑張れる!?のではないでしょうか?

内視鏡検査は15~20分くらいで、ぺっちゃんこの腸の中に少しの空気を入れて行きながらカメラを進めていきます。このとき少しの残渣(便)が残っていても、水で洗い流したり吸引をかけてカメラが吸い込むこともできるので心配はありません。

ただ…この検査には施行する医師の上手い下手が顕著に出ます。

必ず病院の下調べをして、1日に何件もの内視鏡をこなしている【内視鏡専門医】を選びましょう。辛い前処置に痛い検査まで追い討ちを掛けられたら…みんな敷居が高くなり、受けたくなくなりますからネ。

このような詳細も今まで受けた人の噂であったり、証言からだけで【こんな辛い検査】とのレッテルは貼られているようですが、決してそんなことはありません。上手な先生(内視鏡専門医)はとてもスムーズに検査をこなし、『えっ?もう終わったの?』と驚くほどに早く的確に検査を終わらせる医師も沢山居られます。

すべては人!施行医師(内視鏡専門医)の技術テクニックだと思ってください⇒間違いありませんから

 

2)すり抜け陰性:大腸は管腔臓器であるため、小さな癌が腸の中の左の壁にあったとき、右の壁を通ってきた便を採取して検査に出した場合…

実際には…【癌はある】のに【検査では陰性】となります。

これも、この検査(便潜血検査)だけしていれば大丈夫とは言いきれないので、やはり何もないと言われた人でも2年に一度くらい内視鏡を合わせることがベストです。

便潜血検査はあくまで簡易検査であり(しないよりは、した方がまし…程度)、これだけで判断しない方が懸命です。可能であれば内視鏡検査から入ることのほうが良いかもしれません。

 

⇒なぜ2年に一度がベストなのか!?

3.適正な期間にフォロー検査をしていないこと⇒

大腸がんは必ず大腸の粘膜といわれる一番表面に近い壁から起こります。【でき始めは絶対に初期(早期)がん】

時間の経過とともに、それが腸の奥深くへ潜って行き、やがて【進行がん(病状が進行しリンパや他臓器にも転移する可能性が出てくるもの)】として取り返しのつかないことになってしまいます。

この初期(早期)がん~進行がんへ移行する期間が約2年と少しくらいと言われています。

ゆえに2年に一度内視鏡検査を受けていれば進行がんになることはない

=これで命を落とすことはない…というストーリーが描かれることとなるのです。

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まとめ

皆さんお分かりになられたでしょうか?

 

要するに【検査をちゃんと受けている人は大腸がんで命を落とすことはない】のです。

それでもこの癌が、命を落とすすべての癌の中のワースト2位なのですよ!

 

あなたならどうしますか!?