診療放射線技師による【心と体の透視室】

医療の中身ってわからないことだらけで、もし病気になっても医師任せという方がほとんどではありませんか?ここでは病気にならないためと、もしなってしまった場合においても、心と体をどのように保つか!?について皆さんにお役立てできる情報を発信して活きたいと思います。自身、約30年間【診療放射線技師】として勤務してきた医療現場での経験があるからこそ、お伝えできる真実を確認して頂ければと思います。

今も昔も変わらぬレントゲンの話

 

胸部レントゲン撮影って!?

皆さんも一度は必ず受けたことがあるレントゲン(胸部)撮影…

『はい息を吸って~止めてください!』って、あれです。

健康診断であったり、風邪をひいたりして少し咳が続くときなど医師から

『とりあえずレントゲン撮っておきましょうか!?』と言われることが必ずありますね。

このレントゲン!高齢の方であれば『今日はレントゲンかけてもろたありがたや♪ありがたや♪』と言われる人もいれば、『タバコをよく吸うから気になってたけど、レントゲンで診てもろたから安心♪』なんて人も居られるでしょう。

が、しかし!これ(多少の被曝もしますし)ありがたくなど全くもってありません!

と、言うかむしろ医療機関が儲かる(稼ぐ)ための手段のひとつに過ぎないのです。

 

胸部レントゲン撮影機器の進化

皆さんはご存知ないかも知れませんが、この胸部レントゲン撮影機器は昔からほとんど変わっていないのです!

強いて言うなら、デジカメやスマホのカメラと同様、昔はアナログであったものが、デジタルに変わった!ってくらいです。

勿論、最新のものは被曝線量を抑えることができるようになったり、画質が向上したり!とありますが、基本『息を吸って~』には何も変わりがありません。

 

何故、この検査がほとんど無意味なのか!?

この検査は縦横奥行がある3Dの人体を2Dに表現している画像で、必ず死角と言われるものがあるのです。

例えば…肺野をメインに考えた場合…

心臓・肝臓と重なる肺の部分は非常に見辛く小さな病変であればあるほど見逃します⇒画像に描出されないため⇒異常なし⇒問題なし⇒正常であると診断されます。

そりゃそうでしょう!写ってないものを異常となんて指摘できません。

けと、病変は死角に隠れているのです。

また、撮影自体がテクニカルではなくなってきました。

これは、デジカメやスマホ撮影と一緒です。

【誰が撮ってもそれなりに!】

昔は技術の高い診療放射線技師が最高のアナログ撮影装置で、これでもか!ってスーパーテクニックを持って撮影していましたが、今はフルオート!資格は必要ですが犬や猫がスイッチを押しても同じ写真が撮れるように【便利に】なっています。

あと、これらの写真を読む【読影診断】ができる医師が昔は沢山いました。

そりゃそうです。情報が少ない時代なだけに、技師は良い写真を必死で撮って、医師はその写真から読み取れる情報を一生懸命読影しようとしていたのです。

が、今は…とりあえずレントゲン…

言い方悪いですが、そんなの初めから期待していません…

それにオーダーをした主治医は【さも分かっているような診断結果】を患者に伝えますが、今、胸部のレントゲンから読影ができる(気管支末梢までちゃんと追えて読影できる)医師はどんどん少なくなってきていると思えてなりません。

 

全く無意味とは言えないレントゲン!?

胸部レントゲン撮影で【肺野のど真ん中に5cmの癌が見つかりました】

そりゃスゴイ!こんなことも何度も経験してきました。

(癌の種類【小細胞癌etc】によっては2~3ヶ月でこのように進行するタイプもあります)

このような場合『半年前にレントゲン受けて何ともないと言われたけれど…』と必ずなります。

しかし、これは先程の【とりあえず】の方々の1%にも満たない確率の患者さんにしか起こり得ないことなのです。

それに…5cmの癌ですよ!

見つかって良かった~♪ってなりますか!?

すみません申し訳ないですが、手遅れです。すでにこの大きさまで発育した癌を見つけられたって、死刑宣告されたようなものだけです。

皆さんはどう捉えますか!?

やっぱり胸部レントゲン撮影は大事でしょうか!?

 

古きよき!?日本の伝統

長年、日本ではこのスタイルがずっと継続されてきています。

こんなに技術や情報が進化してきた!にも関わらず…です。

ファーストチョイスは『とりあえずレントゲン』これもう聞き飽きたし、辞めにしません!?

実は【もっといい方法が既にあるのに】です。こちらのほうがトータルで考えて絶対良い!

けど、日本ではまだそこまで至っていません…

 

じゃあどうしたらいい!?次回は、そのお話でも♪